先日、「藁づと納豆」をつくる体験ワークショップに参加しました。
「藁づと納豆」というのは、古くから行われてきた納豆の伝統的な製法です。
蒸した大豆を稲わらで包むことで、わらに付着している納豆菌が大豆に移行し、それが増殖・発酵することで納豆ができあがるそうです。
知り合いの方が、無農薬・手作業で米づくりを行なっており、質の良い稲わらがあるとのことで、今回、このようなワークショップを開催していただきました。
さて、藁づと納豆は、以下の手順でつくりました。
1.大豆を水につける
乾燥大豆をよく洗ってから、水につけます。
一晩つけておく必要があるので、ここはあらかじめ主催者の方にやっておいていただきました。
使った大豆の銘柄は、やや小粒の「スズマル」と、ふつうサイズの「トヨマサリ」で、どちらも無農薬栽培のものを使用しました。
2.大豆を蒸す
水に浸けた大豆を1時間程度、蒸し器で蒸します。水煮でもできるとのことですが、蒸した方が味、栄養面ともに良いそうで、今回は蒸すことにしました。
3.藁づとをつくる
藁を、大豆を入れることができる形にします。この入れ物を「藁づと」といいます。
藁をひとつかみ程度まとめ、中央あたりを別の数本の藁でしばります。
中央でしばった根元の部分を折り返します。
全ての藁を折り返したら、先の部分を数本の藁でしばります。
端の部分を切りそろえたらできあがりです。
4.藁づとを煮沸消毒する
藁にはもともと納豆菌が付着しており、この菌が大豆に移行し、増殖・発酵することで納豆ができあがります。
ただ、藁に雑菌がついていると大豆が腐ってしまうので、雑菌を殺すために煮沸消毒する必要があります。
大豆が蒸しあがるタイミングにあわせて、沸騰しているお湯に藁づとを10秒程度つけて、煮沸消毒します。
5.藁づとに納豆を詰める
大豆が蒸しあがったら、藁づとを広げ、その中に詰め込みます。
藁づとも煮沸消毒した直後なので、大変熱い状態ですが、しっかり広げないと大豆があまり入りません。
6.クーラーボックスで保温する
大豆を詰めた藁づとを新聞紙で包み、ポリ袋に入れます。酸素が必要なので、ポリ袋は密閉しないようします。
ソフトクーラーボックスに、お湯の入ったペットボトルを入れ、藁づとも入れます。念のため、使い捨てカイロもいくつか、一緒に入れておきました。
発酵中に水分が出るので、クーラーボックスの底にも新聞紙を敷いておきます。
使用したソフトクーラーはこちらです。
今回は、発酵中の温度変化を確認したいため、先日作った温度測定用デバイスを、ここに一緒に入れておきます。
ワークショップとしては、ここまでで終了し、あとは各自、家に持ち帰って発酵させます。
納豆は40℃程度で発酵するそうです。40℃程度をキープした状態で、2〜3日置いておかなければなりません。
そのため今回は、ソフトクーラーボックスをフリースでくるみ、さらに大きなハードクーラーボックスの中に入れました。
ハードクーラーとソフトクーラーの間に、湯たんぽやお湯を入れたペットボトルも入れ、以降の温度の調整はそこで行うことにしました。
温度調整を、ソフトクーラーボックスの外側で行うので、急激な温度変化が避けられます。
クーラーボックスを二重にする作戦は、思いのほか効果が高く、1日に1〜2回お湯を入れ替えるだけで、3日間の温度変動は以下のとおりでした。
夜間に温度が下がってしまうかと考え、寝る前にお湯を入れ替えて、温度を高めにして寝たところ、朝起きても温度が高すぎるままだったりして、思った以上の保温効果にビックリしました。
納豆自体も発酵で発熱しているはずなので、その効果が大きかったのかもしれません。
今回は、一部の納豆については丸2日で保温をやめ、糸の引き具合が少なかったものについては、さらに1日保温しました。
保温が終わったら、それ以上の発酵を止めるため、冷蔵庫に入れて保管します。
冷蔵庫で1日程度寝かせたらできあがりです。
できあがりはこちらです。
こちらは小粒の「スズマル」です。
こちらがふつうサイズの「トヨマサリ」です。
糸の引き具合がもう少しという感じでしたが、味はとても美味しくできました。