ソーラーパネルと水中ポンプで畑に水を汲み上げる

私は兵庫県の里山地域に畑を借り、そこで仲間といっしょに家庭菜園を楽しんでいます。

さて、この畑で使う水は、となりを流れている沢から引き込んでいるのですが、それなりの水圧で水を引き込むためには高いところに取水口を置かなければならず、そのため50メートル程度のホースを使って畑まで水を引き込んでいます。
そのような長いホースを使っているため、一度ホースが詰まってしまうと復旧させるのが大変だったり、そもそも雨が長期間降らないと沢の水自体が枯れてしまったりと、この水だけでは少し心許ない状況でした。

そんな中、知り合いの農家の方から、ソーラーパネルと水中ポンプで水を汲み上げているというお話をお聞きしました。
バッテリーやチャージコントローラなどは使わず、ただ単にソーラーパネルと水中ポンプを直結し、お天気任せで晴れているときだけ水を汲み上げてタンクに貯めておき、必要な時にそれを利用する、という使い方をしておられるそうです。

私たちの畑のとなりにも小さな川が流れています。こちらは沢の水とは異なり、水量は安定しているのですが、畑より4〜5メートルほど低い場所にあるため、電気や燃料を使わずに汲み上げる手段がなく、これまであまり活用できていませんでした。
今回お聞きした、ソーラーパネルと水中ポンプを使う方法なら、この川の水をうまく汲み上げることができそうです。

そんな訳で、この方法を私たちの畑でも実践してみることにしました。

使用することにしたポンプはこちらです。


常時水の中に浸けておくことになるため、すぐに故障してしまうことを見越して、安価なものを選択しました。
揚程は約4メートルとのことで、ギリギリ畑まで水を汲み上げることができそうです。
また、消費電流は5.4Aとのことです。

使用するソーラーパネルですが、知り合いの農家の方は170Wのパネルを使用していました。
今回は、まずはもっと小さなパネルで汲み上げることができないか試してみようと思い、こちらの100Wのパネルを使うことにしました。


最大動作電流は4.9Aとのことです。

実物はこんな感じです。サイズは 1060mm × 530mm です。

ポンプの吐水口の口径は 25mm で、ふつうのホースは入らないので、塩ビパイプとソケットを使い、ホースが差し込めるようにしました。

スピーカーコードとMC4コネクタを購入し、ポンプとソーラーパネルをつなぐためのケーブルをつくりました。

真夏の快晴の日に部材一式を畑に持っていき、水を汲み上げることができるか実験してみました。

ソーラーパネルを設置する予定の場所に、実際にパネルを置き、ポンプとつないでみました。

すると、太陽がギラギラと照り付けている間はなんとか水が上がるのですが、ほんの少し日差しが弱くなっただけで上がらなくなってしまい、全くマージンのない状態でした。
真夏の快晴時でこの状態ということは、他の季節ではほとんど水が上がらないことが想定され、これでは能力不足だということが分かりました。

仕方がないので、同じパネルをもう1枚購入し、並列につないで使うことにしました。

2枚のパネルを並列につなぐために、このようなコネクタも購入しました。


畑に2枚のパネルを設置するための架台には、このようなL字アングルを使うことにしました。

2枚のパネルをこのように並べて設置します。1060mm × 1060mm の正方形になります。

L字アングルで架台をつくります。

できあがりはこんな感じになりました。

ポンプをつないだところ、勢いよく水を汲み上げることができました。
やっぱり太陽のエネルギーはすごいです!

結局、この部材一式を購入するのに 36,000円 程度かかりました(ソーラーパネル2枚:24000円、水中ポンプ:2500円、ケーブル:2200円、架台:5800円、コネクタ:1600円)。
ソーラーパネルを2枚並列にしているため、パネル代自体が若干割高になっている他、並列接続のためのコネクタも必要となりました。
2枚のパネルを設置するため、架台も若干割高になっており、もしも200Wパネル1枚ならば、もう少し安価につくれそうです。