前項は こちら。
IoTの機能を分割していくと、以下のようなステップに分けられます。
- 取得:モノからデータを取得する。
- 収集:データを変換、整理して、データ伝送のための処理を行う。
- 伝送:遠隔、広範に広がっているデータを統合する。
- 分析:データを意味が明確な情報(人間の意思決定に寄与するデータ)に昇華させる。
- 可視化:情報を「見える化」する。
- モデル化:集めた情報を使って、現実世界の状態、および、狙った状態にはどうすれば到達できるか?が分かる状況を作る。
- 最適化:モデルを使って、狙った状態に到達するために何をすればよいのか?を導き出す。
- 制御:最適化で得られた結果に基づいて、現実世界を狙った状態に導く。
- フィードバック:現実世界を制御した結果、起こった事実を最初のステップ「取得」に戻す。目標と実態のズレを把握して行動を修正する。
IoTの実現レベルとして、以下の3つの段階が考えられます。
まず、第1段階(見える化)として、モノからデータを大量に収集して分析します。データを可視化し、それを元に人間が改善案を導き出せるようにします。データが見えるようになるだけで、人間の発想力が喚起され、改善案が導き出しやすくなります。必要なデータを採取するコストや時間が短縮できるだけでもメリットとなります。
次に、第2段階(制御)として、その分析結果を使って、現実社会の装置やサービスを制御して動かします。分析結果に対してモデル化を行い、現実世界に対して、半自動で指示を出せるようにします。
最後に、第3段階(効率改善の自動化)として、制御自体を完全自動化し、効率改善すら自動的に行えるようにします(自律化)。現実世界に指示を出し、その結果をフィードバック情報として、再度モノからデータを取得、このループを繰り返すことで、より高度に最適化していくことができます。
IoTの究極の目指す姿は第3段階(自律)ですが、現在の取り組みはいずれも、トライアルや第1段階に留まっていると思われます。
次項は こちら。
目次は こちら。