おもちゃのソーラーハウスをつくる

私は、小中学生にプログラミングなどを教えるボランティアグループのメンバーになっています。

このグループでは、小中学生に電子回路とマイクロビットプログラミングを教える通年制のワークショップを実施しています。
ワークショップでは、生徒自身に自分が考えたテーマで作品をつくってもらっているのですが、何もヒントがないところから、どんな作品をつくるか考えるのはなかなか難しいようです。そのため、生徒が作品を考える際の参考になるように、講師の方でもいくつかの作品例をつくり、生徒に紹介するようにしています。

これまでつくってきた作品例は、マイクロビットのプログラム自体を工夫するものや、マイクロビットでモーターなどの外付け部品を制御するものが大半でした。
ただ、ワークショップのテーマのひとつとして「環境」を掲げていることもあり、マイクロビットに拘らずに、省エネや再エネを実感してもらえるような作品例も準備することにしました。

つくることにしたのは「ソーラーハウス」です。
日光が当たるときに小さなソーラーパネルで発電してその電気を貯めておき、日光が当たらないときに、その電気をつかってLEDを点灯させます。

ソーラーパネルは300mWのものを使います(秋月電子の販売コード:116017)。また発電した電気は1Fの電気二重層コンデンサに貯めることにします(秋月電子の販売コード:104249)。貯めた電気で3.1mmの白色LED 1灯を点灯させます(秋月電子の販売コード:100666)。
その他に、コンデンサに貯めた電気がソーラーパネル側に流れないようにするためのダイオード、LEDの電流を制御するための100Ω抵抗、LEDをON/OFFするためのスイッチを使用します。

回路は以下のようになります。

この回路を小さいブレッドボード上に組みました。
厚紙で家のかたちをつくり、屋根にソーラーパネルを貼り付け、室内にLEDを取り付けました。

直射日光の当たる場所に1〜2分置いておいた後、室内に持ち込んでスイッチをONにすると、LEDが20〜30分点灯しつづけます(最初はこの程度の光量ですが、時間が経つと電圧が低下し、だんだん暗くなります)。

プログラミングには全く関係のない単純な作品ですが、今どきのエネルギー問題を考える題材としてはなかなか面白いものができたのではないかと思います。