中小製造業のIoT事例 19 〜物流パレットにGPSを搭載

町工場にIoTを導入したいけど、そもそもIoTで何ができるのか、IoT導入のために何をしたらいいのかわからない、という方も多いと思います。
このブログでは、そのような方に向けて、さまざまな分野から、IoT導入事例をいくつかピックアップして、紹介していこうと思います。

今回は、レンタルする物流パレットにGPSを搭載して、パレット回収サービスを提供している事例を紹介します。


物流パレットにGPSを搭載してパレット回収サービスを提供

背景

総合リース/レンタル業を展開する日建リース工業は、工場や倉庫、トラックなどで運搬に用いる「物流パレット」のレンタルサービスを提供しています。

パレットは物流の過程において紛失してしまうことが多く、紛失した場合は、借り主が弁済金を支払わなければいけません。
これまでパレットは、木製パレットを買い切りで使うのが一般的で、『無くなるのが当たり前』と考えられてきました。安価な木製ならば紛失してもそれほど惜しくなく、回収が難しいケースもあるためです。しかし、これが物流コストを圧迫している原因のひとつであることは間違いなく、パレットを確実に回収できれば、廃棄費用を低減させるとともに、パレットの材料となる森林の伐採も抑制されて社会貢献にもつながります。

取り組み内容

このため同社では、自社開発の「GPSトラッカー」を搭載した物流パレットをレンタルし、貸し主である同社がパレットの置かれた場所を特定・回収まで行う「回収サービス付きパレットレンタル」を開始しました。


貸し主が回収を行うため、借り主は使い終わったパレットを管理する必要がなく、たとえ紛失しても弁済金は一切支払う必要がありません。

また、GPSトラッカーには「温度センサ」、衝撃を測定するための「速度センサ」、「RFID」も追加しました。
これにより、パレット周囲の環境、パレットが受けた衝撃も確認できるようになった他、個々のパレットを識別することもできるようになりました。

効果

借り主はこれらのセンサ情報を無料で利用できます。パレットの位置を地図上に表示できる他、工場の敷地内に存在するパレット枚数を集計したり、パレットの移動軌跡を地図上に表示することもできます。

なお、現在開発中のGPSトラッカー新モデルでは、屋内でも置かれた場所を特定できるように、Wi-Fi測位機能を搭載する予定です。またセンサについても、新たに湿度センサを搭載する他、パレットの上にものが載っているかどうかを判別するための距離センサも搭載する予定です。これにより、センサ情報を商品の在庫管理にも活用できるようになります。

ポイント

  • IoTにより、新たなビジネスモデルを構築した点。
  • 実際に運用して、要改良点やオーバースペックだった点を洗い出し、新モデルに反映している点。

この仕組みは物流パレット以外にも有効で、同社では金属製カゴ車や六輪カートへの搭載も始めています。
この取り組みを継続し、位置情報や温度、加速度など、さまざまなデータを大量に蓄積することで、最終的にはお客さまに新たな価値を提供できるようになる可能性もあります。

当社の簡易IoTシステムは、装置の稼働状況を簡単に取得できるので、見える化を実現し「IoTが何たるか」を実感するのにオススメです。

当社の簡易IoTシステムは導入も非常に簡単なので、まずは一度導入してみて、IoTの本質や有効性を理解した上で、業務改善の取り組みを、より深く進めていくのも良いのではないでしょうか?
(簡易IoTシステムについては こちら へ)

 

(出典)

  • メイテック fabcross「位置情報×IoTの最前線」