IoTデバイスとモバイルWi-Fiルータを使って、屋外でデータ採取を行っているのですが、最近ちょっとした問題が発生しました。
私は、「HUAWEI E5785」というモバイルWi-Fiルータ3台と、その前機種の「E5577」を1台持っており、それらを別々の場所に設置して、それぞれでデータ採取を行っています。
それぞれの場所では、IoTデバイスで一定時間おきにデータを採取し、それをモバイルWi-Fiルータ経由でWebサーバに送信しています。
ルータ4台のうち3台は、長期間にわたり安定して通信できているのですが、実は最近データ採取を始めた1台については、頻繁に通信ができない状況になってしまいます。
データ採取を始めて数時間、長くても半日程度で、データが送信できなくなります。
複数のIoTデバイスを1台のルータに接続しているのですが、いずれのデバイスからも、同じ時刻にデータが送信できなくなるため、IoTデバイスではなく、ルータ側の問題のようです。
一度通信できなくなると、その後はルータの復帰作業を行うまで、データ送信ができません。
これは、屋外に設置して長期間にわたりデータ採取するIoTシステムとしては致命的な問題です。
「スマート省電力」など、ルータの省電力設定は、いずれもオフになっているので、自動的にルータがスリープモードに移行することはないはずです。
ルータの設定を再確認したり、ルータを再起動したりといろいろ試しましたが、状況は変わりません。
この問題で1週間以上あれこれやっていましたが、原因は分かりませんでした。
ところがある時、ひょんなことから原因が分かりました。
ちょっとした理由があり、通信できない状態のモバイルWi-FiルータとIoTデバイスを、そのままセットで他の場所に移動する機会があったのですが、その際に、何も操作していないにもかかわらず、それまで通信できなかった両者が通信を再開したのです。
つまり、通信不調は、モバイルWi-Fiルータの設置場所によって生じていたということになります。
昔は携帯電波が届くかどうか気にしていた時期もありましたが、最近はすっかり、そんなことを気にすることもなくなっていました。
モバイルWi-Fiルータは4台とも、ドコモ回線を使っているので、ドコモのLTE通信エリアを確認してみました。
もちろん、いずれの設置場所とも、ドコモのLTE通信エリア内でしたが、今回不調だったルータの設置場所は、ちょうど「PREMIUM 4Gエリア」と「800MHzエリア」の境界付近になっていました。
また、設置場所のすぐ裏にはちょっとした山があり、その向こうは電波の届かないエリアになっています。
通信状況がややこしい場所になっており、それが原因で接続が不安定になっていたようです。
試しに、これまで建物の中央あたりに設置していたモバイルWi-Fiルータを、窓際に移動してみました。
すると、これまで不安定だった通信がすっかり解消し、3日以上にわたり、安定して連続稼働することが確認できました。
1週間以上にわたって悩んでいましたが、気付いてしまえば、とても簡単な理由でした。
農地や山間部など、IoTデバイスを屋外に設置する場合、今回のように携帯電波の通信状況が微妙なことも十分にあり得ます。
そのような場合は、各キャリアの通信エリアを確認し、最適なキャリアを採用するなどの工夫も必要になりそうです。