小型ソーラー発電システムの発電量を調査

先日、小型のソーラー発電システムをつくりました(記事は こちら)。

屋外にIoTデバイス(Webカメラ)を設置して、それを常時稼働させるためにつくったものです。
10Wのソーラーパネルと9Ahの鉛バッテリーを使っており、これで平均消費電流値が100mA@5V程度のIoTデバイスを動かしたいと考えています。

このシステムで、IoTデバイスを動かすための発電量をまかなえるか確認するため、システムを実際に畑に設置して、発電量を調査することにしました(記事は こちら)。

調査を始めてから1週間が経過し、ある程度データも取れてきたので、確認してみたいと思います。
調査したのは2021年1月29日〜2月5日の8日間です。

まずは、とある1日の発電電流値の推移です。

夜間の発電できていない間は、常時50mA程度消費しています。チャージコントローラと電源レギュレータで20mA程度、IoTデバイスで30mA程度消費しています。
また、今回システムを設置した場所は、周りを山に囲まれており、午後2時を過ぎると日陰になってしまいます。日陰になると、ほとんど発電できなくなることがわかります。

その他の日中の発電量は、基本的には正午をピークとするカーブを描いていますが、グラフはガタガタしており、発電量が急激に変動していることがわかります。
日が射さなくなると一気に発電量が落ちるようです。

更に詳しく確認してみます。
Webカメラで、この畑の風景を定期的に撮影していますので、それらの画像でタイムラプス動画をつくり、発電量グラフを並べて表示させてみました。
画面下に時刻、右下に発電量がグラフ表示されています。

とてもおもしろいデータが取れました。
直射日光が当たっている間はきちんと発電できていますが、曇ると一気にほとんど発電できなくなることがわかります。
薄曇りだったり、直射日光が遮られていても、周囲が明るければそこそこ発電できるのではないかと思っていたのですが、想像とは違う結果になりました。

調査期間中の発電電流値の推移を、1日単位で重ね合わせてみます。
快晴時の電流波形、および日が陰るとどの程度発電量が減少するかがわかります。

次に、採取したデータを集計して、1日平均の発電電流値を調べてみます。
気象庁のデータで、近隣地域の日射量も調査し、並べてみました。
1日トータルの日射量と、14時台までの日射量を記載しています。

日付 発電電流値(mA) 日射量(h) 日射量(h)
14時台まで
1/29 21.55 4.2 3.3
1/30 -2.61 4.2 1.7
1/31 27.15 6.3 3.6
2/1 -25.17 0.7 0.7
2/2 8.65 4.5 2.5
2/3 31.92 5.3 3.7
2/4 13.55 4.0 2.4
2/5 68.40 9.4 6.2

1日の日射量と、発電電流値の相関をグラフにしてみました。

概ね線形になっており、1日あたり4時間程度の日射量がないと発電量がマイナスになってしまうことがわかります。

さらに詳しく確認するため、14時台までの日射量と、発電電流値の相関をグラフにしてみました。

よりきれいな線形になりました。
2時台までに2時間程度の日射量がないと、発電量がマイナスになってしまうようです。


ここから先は、気象庁の日射量データを使って、1年間を通した発電量の推移を推定してみたいと思います。

最初に、先ほどの「1日の日射量と発電電流値の相関グラフ」の縦軸の単位(mA)を、1日の発電量(Ah)に変更しました。
また、線形近似して式を求めました(y = 0.2555x – 0.8022)。

次に、気象庁のデータで、近隣地域の昨年(2020年)1年間の日毎の日射量を調査しました。
日毎の日射量を上記の式に当てはめて、日毎の発電量を求めました。
その値を1月1日から12月31日まで、積算していきました。

結果は以下のとおりです。

年間トータルで見ると、発電量は使用量を大幅に上回っています。
ただ、6/29から7/17にかけて、ほとんど発電できない状態が続いており、その期間の放電量は 10.6Ah になることが分かりました。

今回のシステムで使っている鉛バッテリーの容量は 9Ah で、そのうち利用できるのは半分程度(4.5Ah)と言われていますので、この期間は全く足りないことになります。
バッテリーをもっと大きなものに変更するか、この期間はIoTデバイスが動作しなくてもやむを得ないと諦め、電力復帰時にデバイスがうまく再起動できるようにしておく必要がありそうです。

上記の期間以外にも、「1/20から2/1で 5.0Ah」「7/22から7/30で 4.9Ah」「3/26から4/1で 3.7Ah」「10/2から10/11で 3.5Ah」など、放電量が多い期間があります。

これらの期間はデータが取れない可能性もあることを認識した上で、運用する必要がありそうです。