電子工作につかっている小型ソーラーパネルについて、開放電圧を測定したい機会がありました。
ソーラーパネルの「開放電圧」とは、外部の回路との接続がない状態の電圧のことで、ソーラーパネルが発電できる電圧の最大値になります。
ただ、ソーラーパネルに直接電圧計(テスター)をつないでしまうと、テスターの内部抵抗に電流が流れてしまい、その分だけソーラーパネルの電圧が下がってしまうため、きちんと開放電圧を測定することができません。
そのため今回、オペアンプでバッファ回路をつくり、それを使ってソーラーパネルの開放電圧を測定することにしました。
バッファ回路は「信号電圧は変えずに大きな電流が流せるようにする」ものです。
バッファ回路の入力にソーラーパネルをつなぎ、出力をテスターで測定することで、テスターに内部抵抗があっても、より正確にソーラーパネルの開放電圧を測定することができます。
「LF411」というオペアンプを使いました。
回路図は以下のようになります。
「IN+」にソーラーパネルをつなぎ、テスターで「OUT」の電圧を測定することで、ソーラーパネルの開放電圧を測定することができます。
測定対象のソーラーパネルに、手持ちのアナログテスターを直接つないで電圧を測定すると「5.2V」という結果になったのに対し、この回路を使って測定すると「5.8V」という結果が得られました。
ソーラーパネルのデータシートによると、このパネルの開放電圧は5.7Vとなっており、今回の回路を使うことで妥当な結果が得られたようです。
ちなみに、アナログテスターの内部抵抗は数十KΩ程度なのに対し、デジタルテスターの内部抵抗は数MΩ程度と、非常に大きいようです。
このため、デジタルテスターであれば、ソーラーパネルに直接つないでもテスター内に電流はほぼ流れず、より正確にソーラーパネルの開放電圧を測定することができるようです。
試しに、測定対象のソーラーパネルに手持ちのデジタルテスターを直接つないでみたところ、「5.8V」と、上記のバッファ回路を使った時と同等の結果が得られました。