Wi-Fi中継機を畑に設置する

屋外(圃場)にIoTシステムを導入できるかどうかを検討するため、知り合いの方から畑の一画をお借りし、いくつかの機材を設置して実験を行っています。

その際、電源としては「ソーラーパネル」を、通信手段としては「モバイルWi-Fiルータ」を活用しています。

さて、実験を行っている畑は、以下のような区画です。

モバイルWi-Fiルータと、最遠点に設置しているIoTデバイス(カメラ)の距離は30メートル弱です。
普通であれは、この程度の距離であれば問題なくWi-Fi通信できそうですが、両者の間に作物が植えられていたり雑草が茂っていたりするためか、天候などによってはデータ送信できないことがあります。
(IoTデバイスは、Wi-Fiルータへのアクセスを15秒間試み、それで接続できなければ、データ送信せずにdeep sleepするようにプログラムしてあります。)

せめて「No.2」の区画内であれば、安定してWi-Fi通信したいと思っています。

また、「No.1」の区画は「No.2」より1.5メートルぐらい低いところにあり、両者の間に段差があるため、「No.1」に設置したIoTデバイスは、ルータとの距離が近くても通信が不安定になります。

よって、

  • 「No.2」の区画内では、安定してWi-Fi通信できるようにする。
  • (可能であれば)「No.1」の一部エリアからもWi-Fi通信できるようにする。

ことを目的とし、畑に「Wi-Fi中継機」を設置することにしました。

まず、Wi-Fi中継機本体については、「ESP32-DevKitC」を使おうと思います。



ESP32-DevKitCに「esp32_nat_router」というファームウェアを書き込むだけで、ハードウェア的な加工などは何も行わずに、そのままWi-Fi中継機として使うことができます(記事は こちら)。
「ESP32-DevKitC」は1500円程度で購入できるので、それを収納する防水ケースや電源供給のためのUSBケーブルなどをあわせても、3000円程度 でつくることができます。

また、Wi-Fi中継機を稼働するための電源については、10Wソーラーパネル、12V7.2Ah鉛バッテリー、チャージコントローラを組み合わせた「ソーラー発電システム」を使います。
できるだけ安価につくれるよう部材を吟味した結果、「パネルなどの電材」「パネルの架台」「バッテリーなどの収納ボックス」全てあわせて 1万円ちょっと でつくることができました(記事は こちら)。

ESP32-DevKitCの収納ケースは、タカチの「BCAS071005G」を使います。


ケースに穴を開けて「ケーブルグランド」を取り付け、そこに電源用USBケーブルをとおします。
ケースの裏に木材(板材)を取り付け、その木材に金具を取り付けてイレクターパイプに固定します。
これにより、ケースに開ける穴は、ケーブルグランド用のひとつだけとなります。これで水の侵入をできるだけ防ぎます。

Wi-Fi中継機は以下の場所に設置しようと思います。

現状のモバイルWi-FiルータとIoTデバイス(最遠点)設置箇所の中間あたりになり、また、No.1の畑との境界ちかくになりますので、うまくいけば「No.1」からも通信できそうです。

設置した結果はこんな感じです。

実はソーラー発電システムを組み立ててから1ヶ月以上ほったらかしにしてあったのですが、その間は全く発電しておらず、かつチャージコントローラが稼働しっぱなしになっていたため、バッテリーの電圧が落ちています。
このため、現時点でWi-Fi中継機をつなぐことはできません。
また、ここのところ雨ばかりが続いており、発電も思うようにできません。

よって、動作確認は後日行いたいと思います。

また、Wi-Fiは地面近くでは通信距離が短くなってしまうのですが、現状のWi-Fi中継機の設置高は若干低いように思います。
手持ちのイレクターパイプの都合でこの高さになっていますが、別の部材に変更して、もう少し高いところに設置するようにしようと思います。

2021年8月23日追記

Wi-Fi中継機を設置してから5日が経過しました。

この間もずっと雨続きで、ほとんど日差しのない日ばかりでしたが、ようやく雨がやみ、発電状況を確認しに行ったところ、設置時には11Vを下回っていたバッテリー電圧が12.6Vまで回復していました。

なんとかWi-Fi中継機を稼働できそうですので、さっそく動作確認を行います。

USB端子でチャージコントローラからESP32(中継機)に電源供給し、ESP32からWi-Fi親機への接続設定を行います(設定方法は こちら)。
スマホからESP32経由でインターネットに接続できることを確認した後、最遠点に設置しているIoTデバイス(カメラ)のWi-Fi接続先を「Wi-Fi親機」から「ESP32(中継機)」に変更します。

これまでは、カメラからWi-Fi親機への通信が不安定なため、データ送信が途中で中断してしまうことも多く、そのような場合には画像が半分くらいしか送信されないというような状況が発生していました。
そのため従来は、データサイズをできるだけ小さくするため、画像サイズを小さくしていました。

今回の中継機設置により、より安定して通信できることが見込めるため、画像サイズも大きくしました。

中継機設置前の3日間と、設置後の2日間とで、画像データの送信結果を比較しました。

画像データが送信できなかった割合(IoTデバイスからWi-Fi接続できなかった割合)を比較すると、設置前に19%だったものが、設置後には12%に低減しました。
また、画像サイズを変更したことで、画像のデータサイズは約5倍になりましたが、それでもデータが欠落した画像(データ送信途中に中断したもの)の枚数はともに1枚と、特に悪化しませんでした。

中継機設置前の画像はこんな感じです。

中継機設置後の画像はこんな感じです。

今のところ、Wi-Fi中継機はうまく機能しているようです。

前回の設置時には、Wi-Fi中継機を取り付ける支柱の長さが若干短かったので、今回はついでに支柱も交換しました。

支柱などの部材についても、できるだけ安価につくろうと工夫し、長さ120センチの妨獣ネット用支柱(税込272円)と、水道配管工事用のサドルバンド(税込63円)というものを活用しました。
従来のイレクターパイプ(120センチで税込437円)と専用金具(税込345円)の構成に比べると、半額以下でつくれました。