先日、小型のソーラー発電システムをつくりました(記事は こちら)。
10Wのソーラーパネルと9Ahの鉛バッテリーを使ったシステムです。
大きさが 30cm x 30cm x 45cm 程度とそこそこ小さく、価格も架台込みで15000円程度で製作できました。
電源のない畑にWebカメラを設置したいと思ってつくったシステムです。
この程度の大きさと価格であれば、まあまあお気軽につかうことができそうです。
ただ、このシステムを自宅のベランダに設置して実験してみたところ、わずか4日程度でカメラが止まってしまいました。
発電量が全く足りなかったようです。
自宅のベランダは、ひさしや柵の影響で、午後の1時間半程度しか日が当たりません。
現状では、発電量が足りない原因が、そもそもの能力不足なのか、設置環境のせいなのか分かりません。
そのため、このシステムを畑に実際に設置して、動作確認してみることにしました。
なお、せっかくなのでこの機会に、このシステムの発電量などを真面目に調べてみたいと思います。
以前、M5Stackと電流センサモジュールを使って、電流モニターをつくりました(記事は こちら)。
このときのスケッチを若干修正して、30秒毎に電流値と電圧値を測定し、IoTデータ可視化サービスの「Ambient」に送信するようにしました。
ソーラー発電システムからは、Webカメラを取り外し、代わりにこのM5Stack電流モニターを取り付けました。
つまり、電流モニター自体をソーラー発電システムで動かすことにします。これで長期間の観測が可能になります。
発電量不足で、電流モニター自体が動かなくなってしまうと元も子もないので、電流モニターの動作周波数を80MHzに落としました。
それにより、電流モニター自体の消費電流値は 65mA@5V 程度になりました。
Webカメラ(M5Camera)の消費電流値は 100mA@5V 程度なので、約2/3の消費電流値になり、ソーラー発電システムにとっては、若干の余裕ができたことになります。
システムの構成は以下のようになります。
チャージコントローラーとバッテリーの間に電流センサを取り付け、その場所の電流値と電圧値を測定します。
発電量が多いほど電流値が大きくなり、発電量より使用量の方が多くなると電流値はマイナスになります。
以下の写真は接続途中のもので、この時点では、電流モニターはモバイルバッテリーで動かしています。
このシステムでは、電流モニター(M5Stack)以外にも、チャージコントローラと電源レギュレータで電流消費しています。
ソーラーパネルを外した状態で、電流モニターをつながずに本システムの消費電流値を測定したところ、約-20mAでした。
つまり、上記のふたつの部材だけで、少なくとも常時20mA程度は消費することになります。
さらに電流モニター(M5Stack)をつなぐと、消費電流値は-50mA程度になりました。
電流モニターの消費電流値は 65mA@5V(→27mA@12V)なので、概ね計算どおりです。
よって、ソーラーパネルで平均50mA以上は発電しなければ、システムが止まってしまうことになります。
(電流モニターの電流消費については、スケッチの工夫でさらに低減させることも可能ですが。)
さて、システムをきちんと組み上げ、各部材は防水ボックスの中にしまった状態にして、畑に持っていきました。
パネルの角度は30°にし、真南に向けて設置しました。
この畑は中山間地域にあり、周りを山に囲まれているため、今の時期は午後2時を過ぎると日陰になってしまいます。
この環境でどの程度発電できるか、調査したいと思います。