格安SimのWiFi環境でIoT(2)

当社の簡易IoTシステムを使用するためには、家庭用電源とWiFi環境が必要です。

このうち、WiFiがない状況で使用する方法として、現在、格安Simを使ったWiFi環境で試行中です。

まずは、複数(合計4台)のIoTデバイスを、ひとつのモバイルWiFiルータ(格安Simを使用)に繋ぎ、正常に動作するか確認してみたのですが、その結果、一部のIoTデバイスで、時々(1日あたりトータルで数時間程度)データを送信できなくなる問題が発生しました。
原因が分からないと、実際に適用する際に不安なので、色々と調査・考察(想像?)してみました。

モバイルWiFiルータは、HUAWEI E5577という機種です。
E5577を使ってみたところ、通信可能距離が、据え置き型WiFiルータに比べて若干短く、また、IoTデバイスから接続した際の処理時間が、据え置き型よりも若干長いように感じました(低消費電力化のためでしょうか?)。

一方、IoTデバイスのうち2台は、約45秒毎にWiFiにアクセス、残り2台は、約4分毎にWiFiにアクセスする仕様になっており、データ送信できなくなることがあるのは、約45秒毎にアクセスする2台です。
IoTデバイスは、もしもWiFiに接続できなかった場合は、約3分の待ち状態に移行するようにプログラミングしてあるため、頻繁にWiFiに接続できない状態が生じると、結果的に、1日のうち数時間もWiFi接続できない状態になり得ます。

これらより、

  • WiFiルータが、IoTデバイスから離れているため、WiFiにアクセスができず、データが送れなくなる。
  • 複数IoTバイスが同時にWiFiルータにアクセスしようすることにより、コンフリクトして一方(または両方)のデータが送れなくなる。

状態になっていると想定されます。

実際に、色々な組み合わせで試してみた結果、以下のようになりました。

  • WiFiルータにIoTデバイスを2台接続、ルータとデバイスを近くに設置→データ抜けあり(NG)
  • WiFiルータにIoTデバイスを1台接続、ルータとデバイスを離して設置→データ抜けあり(NG)
  • WiFiルータにIoTデバイスを1台接続、ルータとデバイスを近くに設置→データ抜けなし(OK)

この結果、安定して動作させるためには、以下のようにすれば良さそうです。

  • WiFiルータを、IoTデバイスの近くに設置する。
  • IoTデバイスのWiFiアクセス間隔を長くする、またはWiFiルータに接続するIoTデバイスを1台だけにする。

多数の装置にIoTデバイスを設置するような用途では、モバイルWiFiルータの適用は難しそうですが、装置1、2台、もしくは一般家庭で使用するような用途であれば、モバイルWiFiルータ(格安Sim)でも使えそうです。

なお、複数のIoTデバイスが、同時にWiFiルータにアクセスしても、正常にデータを送信できることもあります(実際には、正常に送信できることの方が多い)。
また、IoTデバイスのデバッグ画面では、正常にWiFi接続でき、データも送信できたと表示されていながら、実際には、データが送信されていない、というケースもありました。
これらの原因については、今のところ分かっていません。