中小製造業のIoT事例 3 〜少人数で24時間稼働

町工場にIoTを導入したいけど、そもそもIoTで何ができるのか、IoT導入のために何をしたらいいのかわからない、という方も多いと思います。
このブログでは、そのような方に向けて、さまざまな分野から、IoT導入事例をいくつかピックアップして、紹介していこうと思います。

今回は、IoTやネットワークカメラを活用し、少人数での24時間365日稼働を実現するための取り組みを紹介します。


IoT活用で、少人数での24時間365日稼働を実現

背景

群馬県にある土屋合成は、従業員数53名の企業で、精密プラスチックの射出成形加工などをおこなっています。

射出成形による加工部品は単価が安いため、売上を拡大させるためには、多くの数量を効率的に製造する必要があります。そのため同社では、製造ラインを24時間365日稼働させ、生産を行っています。
しかし、従業員が工場内を巡回して成形機を管理しているため、特に夜間や休日には、多くの人員を生産ラインの稼働のために割くことができず、管理業務やトラブル対応などが大きな負担となっていました。

取り組み内容

このため同社では、成形機の稼働状況を一元管理するための取り組みを行いました。自ら複数の成形機メーカと交渉して、必要なデータを取得できるように改造してもらい、複数メーカの成形機全49台の稼働状況を、管理用PCより一覧で把握できる仕組みを構築しました。
その仕組みには、トラブルの有無などを迅速に把握するために、成形機の1ショットの成形時間、ショットサイクル、稼働時間等も取得・表示できる機能も搭載しています。

また、工場や事務所の至る所に、40台以上のネットワークカメラを設置し、工場のどこにいても、トラブル等が発生した成形機の様子をスマホ等から閲覧できる仕組みも構築しました。
閲覧画面では、各カメラで撮影した映像が一覧表示され、各カメラの稼働状況が分かるインジケータも表示されます。

効果

この取り組みにより、各成形機の様子をどこからでも確認可能となり、夜間や休日の人員が少ない時でも、トラブル発生の確認と状況把握が迅速に行えるようになりました。
具体的には、成形機を管理する従業員が1フロア1名から、3フロア1名で対応できるようになりました。従来と同じ人員でより多くの成形機を稼働させることができ、生産量を1.5倍に高めることができました。

ポイント

  • 成形機の稼働状況データ取得、ネットワークカメラの設置により、成形機管理者の負担を軽減した点。
  • 先端技術を活用した生産現場の改善に向けて、日頃から様々な検討を行い、顧客ニーズに応える体制を実現した点。
  • トラブル時の早期状況把握などの効果が、実感として社内に浸透した点。

本事例は、経営者や従業員が、IoTとはどういうものであるかを理解しており、それに加えて、装置メーカと直接交渉するような実行力があれば、自社主体で、自社に最適化した仕組みを作り出すことができる、ということを示しています。

当社の簡易IoTシステムは、表示灯などから間接的に稼働情報を取得しているため、本事例の1ショットごとの情報のような、詳細な情報は取得できませんが、稼働時間などの基本的な情報は、非常に簡単に取得できます。

当社の簡易IoTシステムは導入も非常に簡単なので、まずは一度導入してみて、IoTの本質や有効性を理解した上で、業務改善の取り組みを、より深く進めていくのも良いのではないでしょうか?
(簡易IoTシステムについては こちら へ)

 

(出典)

  • 経済産業省 関東経済産業局「中小ものづくり企業IoT等活用事例集」
  • 財務省 関東財務局「先端技術の活用等を通じた生産性向上事例集」